連載 早期膵癌診断へのアプローチ―画像と病理 1
腹痛.血清アミラーゼ上昇と主膵管狭窄
山口 幸二
1
,
川本 雅彦
1
,
田中 雅夫
1
1九州大学大学院医学研究臨床・腫瘍外科
pp.296-299
発行日 2004年3月15日
Published Date 2004/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100359
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●連載にあたり
膵癌の予後は不良で切除後5年生存率は約10%であるが,一方,Stage Iの5年生存率は50%と良好な結果が全国膵癌集計で報告されている1).全国の多数の施設の結果であり,早期膵癌が診断されれば良好な予後はどの施設でも得られることが示されている.また,過去20年間の全国膵癌集計でもStage I膵癌の割合は10%と増えてきている1).現在,実際に見つかっている早期膵癌を詳細に検討し直してみることは現時点での早期膵癌をどう診断していくのかの指針になると思われる.また,その病理像の解析はヒト膵癌での発癌メカニズムを考える重要な所見が得られるものと期待される.そこで,筆者らの経験した早期膵癌やIPMT由来の微小浸潤癌など示唆に富む症例を1例ずつ詳細に再検討し報告する.
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