学会印象記
2004年中国国際肝胆道外科フォーラム
二村 雄次
1
1名古屋大学大学院器官調節外科
pp.823-824
発行日 2004年11月15日
Published Date 2004/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100277
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China International Forum on Hepatobiliary Surgery 2004という集会が4月15~17日まで重慶で開催された.2003年6月に開催予定であったのがSARSのために1年延期になった集会であった.全国から約500人の肝胆道外科医が集まった極めて活発な会であったが,最近の中国の変貌,特に肝胆道医療の最前線と中国経済の変化を肌で知り,かなりの驚きを体験したので報告したい.
・1995年の上海
私の最初の中国訪問は1995年に香港のJohn Wong教授とUCLAのR. K. Tompkins教授と3人で上海を訪れた時だった.物価の安さ,3000ベッドの大病院,そして広大な道路を埋め尽くす自転車の大群に驚いたことを今でも明瞭に記憶している.上海は中国一の外国に開けた近代都市なので,街の至るころに西洋文化が入り込んでいることも知った.そして,中国が日本と違っている所は,巨大な病院に想像を絶する程の膨大な症例が集中しているといる事実であった.これはただ単に人口が多いだけの問題ではないであろうと感じた.ただ中国の消化器外科学会は長老の支配するまだ未開の部分の多い社会であるとの印象を受けた.
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