連載 スーパー臨床神経病理カンファレンス・11
進行性の左上下肢の使いにくさとふらつきを呈した51歳男性例
松原 知康
1,2
,
山上 圭
1
,
藤田 浩司
1
,
齊藤 祐子
2
,
村山 繁雄
2
,
和泉 唯信
1
1徳島大学病院脳神経内科
2東京都健康長寿医療センター神経病理
キーワード:
進行性多巣性白質脳症
,
JCウイルス
,
脱髄
,
オリゴデンドロサイト
,
shrimp sign
Keyword:
進行性多巣性白質脳症
,
JCウイルス
,
脱髄
,
オリゴデンドロサイト
,
shrimp sign
pp.1361-1367
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202790
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〔現病歴〕これまで特に受診歴のない51歳男性がX年Y月より左上下肢の使いにくさとふらつきを生じ,Y+1月近医を受診した。MRIで左中小脳脚にFLAIRと拡散強調像で高信号,T1強調像で低信号の病変を認めた(Fig. 1)。症状は進行し,再検したMRIで病変の拡大を認めたため(Fig. 2),Y+3月当院に紹介され受診した。
診察上,衝動性眼球運動障害,構音障害,小脳性運動失調,左上下肢腱反射亢進を認めた。血液検査:白血球数5,900/μL(リンパ球26.4%),CD4陽性細胞数60/μL,ヘモグロビン13.7g/dL,血小板数13.7万/μL,CRP 0.97mg/dL,肝・腎機能,電解質に異常なし。血清HIV抗原・抗体陽性。脳脊髄液検査:細胞数2/μL,蛋白67mg/dL,糖47mg/dL(血糖93mg/dL),IgG index 0.66,オリゴクローナルバンド陽性であった。脳脊髄液中のJCV-DNAは21,760copy/mLであった。
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