書評
「がんCT画像読影のひきだし」—稲葉吉隆,女屋博昭,清水淳市,前田章光【編】
青山 剛
1
1がん研究会有明病院薬剤部
pp.801
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202122
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このたび,『がんCT画像読影のひきだし』が出版された。『がん薬物療法のひきだし』(2020年),『医薬品情報のひきだし』(2020年)に続く,「ひきだし」シリーズの第3弾である。今回の『がんCT画像読影のひきだし』は,CT画像について「何を考えながら」「どのように」読影すべきか,そのポイントをわかりやすく解説した入門書である。まず驚くのは,医師と共に薬剤師も編集に加わっている点である。評者の薬剤師としてのキャリアは20年になるが,学生時代に画像について学んだことはなかった。画像読影がテーマの本で薬剤師が中心メンバーとしてかかわっていることに,評者も少なからず刺激を受けたのだ。
本書は「初心者が画像読影のスキルを伸ばし,症例検討会の議論やカルテの記載内容の理解を深め,結果的に患者の病態をより深く把握できるようになる」ことを目的に刊行されたという。本書には多数のCT画像が掲載され,丁寧な解説も加えられており,これからこのテーマについて学びたい若手医師や,薬剤師,看護師が理解しやすいように工夫されている。冒頭の「総論」以降の目次は,「正常画像」「治療効果の判定」「腫瘍の見落としを防ぐ」と続き,以降は本書のキモともいえる「臓器別,臨床課題別のがんCT画像読影のポイント」に本書全体の7割のボリュームが割かれている。
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