特集 温度を感じる脳と身体の科学
扉
pp.125
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201996
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
温度は生命活動にとって重要な因子であり,生物はそれぞれに適した生育環境を得るために,多様な温度感知機構と温度適応性を発達させてきた。しかしながら,ヒトがどのように温度を感じ,体温を調節しているのかは長らく未解明であった。そうした中,1997年にTRPV1のクローニングが成功した(2021年ノーベル生理学・医学賞受賞)ことを契機に,温度感知・体温調節のしくみに関する研究が飛躍的に進展した。本特集では,現在までに明らかにされたTRPV1をはじめとする温度感受性受容体の働きや体温調節のしくみを詳述したうえで,環境に応じてダイナミックに体温を変動させるメカニズム,体温と睡眠・概日リズムとの連関,冬眠の機構に迫る。
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.