書評
「基礎から学ぶ 楽しい疫学 第4版」—中村好一【著】
坂本 史衣
1
1聖路加国際病院QIセンター感染管理室
pp.264
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201749
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著者紹介に高校の卒業アルバムの写真が使われている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で上京ができなかったために代用した,とある。本書の面白さはそこだけではない。表紙のデザインが電車の切符の鋏痕である。鋏をパチパチ鳴らす駅員に毎日切符を切ってもらっていた評者にとっては非常に懐かしいが,本書の楽しさはそこだけではない。
職業柄,再び話をCOVID-19に戻すが,2020年はこの感染症にまつわるさまざまな数字が表やグラフになり,もっともらしい解説を伴って,毎日毎日,新聞,テレビ,SNSなどで飽きるほど流れた。大量の論文もかつてない速度で発表された。それらのデータの多くは,真偽のほどはともかく,COVID-19のリスクの大きさや変化を測定したものである。
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