書評
「精神神経症候群を読み解く—精神科学と神経学のアートとサイエンス」—吉野相英【監訳】 高橋和久,竹下昇吾,立澤賢孝【訳】
河村 満
1,2
1奥沢病院
2昭和大学・脳神経内科
pp.1369
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201694
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大学勤務から一般病院での診療中心の生活に変わり,以前には気付かなかったことの重要性を感じることができるようになった。脳神経内科医としてスタートした40数年前には,私たちの診療科がどのように独立性を主張することができるのかが大きな問題点であった。しかし,それはたぶん日本中どこでもクリアできたように感じる。一方現在,脳神経内科医が増えて地域の病院で診療をするときの問題点は2つあると思う。1つは脳神経内科医が一般内科の知識・技術などのスキルをもっとアップさせる必要があるということであるが,こちらは日本神経学会や日本神経治療学会などでさまざまな対応がなされつつある。第2の問題は脳神経内科との,一般内科とは対極にあるもう1つの境界領域である精神科の知識を増やし,診療技術を獲得する必要があるということである。
このためにも,非常に推薦できる本が出版された。
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