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はじめに
2019年12月4〜6日にオーストラリアのパース(Perth)で開催された第30回筋萎縮性側索硬化症・運動神経疾患国際シンポジウム[30th International Symposium on ALS/MND(Amyotrophic Lateral Sclerosis and Motor Neurone Disease)]に参加しました。本学会はMND associationが主催するALSに関する学会で,発表分野は基礎科学から,遺伝子,画像,臨床まで多岐にわたります。口演は2もしくは3会場で並行して行われ,ポスターは400程度,ALSに関する最新の知見を共有できる重要な機会とあって,参加する研究者も1,000人以上と年々増加傾向にあります。
開催都市であるパースはスワン川沿いに位置する西オーストラリア州の州都で,オーストラリア第4の都市です。また「世界で一番美しく住みやすい街」にランキングされるほど環境面でも素晴らしい街とされ,訪問時は夏季とあって日中の日差しは強かったのですが,体感温度・湿度は高くなく過ごしやすい気候でした。ただ虫にとっても過ごしやすいのか,ハエが多く顔にまとわりつくこともあり,そこは辟易する点でした。観光都市としても近年人気上昇中で,少し足を延ばせば,クオッカやペンギンなどの野生動物と海で人気のロットネスト島,石灰質から形成された奇岩が並ぶ広大な風景から荒野の墓標と呼ばれるピナクルズ,その名のとおり波のように見えるウェーブロックなどがあります。
学会はPerth Convention and Exhibition Centreで行われました。この会場は2004年にオープンしましたが,建築費用が200億円近くと高額であったこと,その魅力的ではない外観(ソビエト時代の墓,でかい灰色のゴキブリなど散々な言われようだったようです……)から,批判を浴びる存在だったようです(写真1)。小生が拝見する限りむしろオシャレと感じましたので,自分のセンスに疑義が生じた瞬間となり,出鼻をくじかれてしまいました。ただ現在では数多くの国内・国際的なイベントが開催され,パース,西オーストラリア州に経済的価値をもたらす重要な存在となっており,2016年には年間90万人以上の来場者があったそうです。
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