学会印象記
Neuroscience 2017(2017年11月11〜15日,ワシントンD.C.)
政岡 ゆり
1
1昭和大学医学部生体調節機能学
pp.661-663
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201059
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私にとっては2回目となるNeuroscience 2017に参加してきた。今回はワシントンD.C.で開催され約80カ国から約30,000人が参加した。13,552の抄録数,902のセッション,534の企業を含めた展示といつもながら大規模な学会であると痛感する(写真1)。これまで私は長く神経生理,脳マッピングの研究に従事しながら,なぜかこの学会に足を向ける気がしなかった。なぜなら,5日間の学会で抄録本は1日1冊,合計5冊の規模,領域が広すぎてみきれない博士課程の学生やポスドクの発表が多く,なかなかキーパーソンに会えない,というこれまでの参加者の感想を聞いて,足が遠のいていたからだ。
しかし,前回初めてサンディエゴで開催されたNeuroscience 2016に参加してから,考えが変わった。これほど一度に世界の動向をみてとれる神経科学会はないのではないか,と思ったのである。ラット,マウス,サルを対象とする研究は目に触れることはあっても,これまで昆虫や鳥類の研究をみることはあまりなかった。その幅広い対象,テーマ,さまざまな疾患における研究,その情報量の多さに最初は口から泡が出そうになる。しかし逆に自分のテーマと興味がわかっていれば,さまざまな対象から,手法,考え方まで情報を得ることができる。
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