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今月の表紙
河村 満
1
,
岡本 保
2
,
菊池 雷太
3
1昭和大学病院附属東病院
2富坂診療所
3汐田総合病院神経内科
pp.1490-1491
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200622
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アカシジア(静坐不能;akathisia)は精神医学と神経学とのちょうど中間に位置する症候です。その最初の報告は,チェコ出身のハシュコヴェツ(Ladislav Haškovec;1866-1944)によって1901年11月のパリ神経学会でなされ,その後『Revue Neurologique』誌に記載されました1)。今月の表紙の写真が掲載された論文2)はハシュコヴェツの報告を受けてその翌年に出版されたもので,シャルコー(Jean-Martin Charcot;1825-1893)の次の神経病クリニック教授レイモン(Fulgence Raymond;1844-1910)とサルペトリエール病院の心理学部門のチーフであったジャネ(Pierre Janet;1859-1947)との共著で書かれています。次のように始まります。
サルペトリエール病院外来は実に驚異的である;他所で報告される奇妙かつ新規にみえる神経症状で,われわれがすぐさま同様の症例を提示できないことは決してない。プラハのHaskowec〔原文ママ〕氏が11月に神経学会で奇妙な神経疾患2例を報告し,それをakathisieと名づけた。ここに,Haskowec氏の症候群を非常に忠実に表現する男性患者を示し,筆者らの解釈を議論したい。
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