特別対談
1913―茂吉・プルースト・ヤスパース
岩田 誠
1,2
,
河村 満
3
,
菊池 雷太
4
1東京女子医科大学
2メディカルクリニック柿の木坂
3昭和大学医学部内科学講座神経内科学部門
4汐田総合病院神経内科
pp.1531-1540
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101676
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はじめに
河村 いまから100年前の1913年は,歌人で精神科医でもある斎藤茂吉(1882-1953)が最初の歌集『赤光』を出版した年です。同時に,フランスではマルセル・プルースト(Marcel Proust;1871-1922)が『失われた時を求めて』を出版しています。『失われた~』は,匂いが記憶を呼び覚ますという神経学的な背景を持った文学作品です。このように1913年は文学が,神経学または精神医学とかなり接近していた時代だったともいえると思います。
また,同じ年に,カール・ヤスパース(Karl Theodor Jaspers;1883-1969)が『精神病理学原論』を書いています。この本は,岩田先生から教えていただいたのですが,のちの精神医学,神経学に大変な影響を与えた本です。本対談はこの辺りをテーマにすれば,岩田先生から楽しいお話が伺えるのではないかと思い,企画しました。どうぞ,よろしくお願いいたします。
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