増大特集 Close Encounters―臨床神経学と臨床免疫学の遭遇と未来
―鼎談―臨床神経学と臨床免疫学のボーダーゾーン
山村 隆
1
,
上阪 等
2
,
神田 隆
3
1国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部
2東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科
3山口大学大学院医学系研究科神経内科学
pp.1235-1243
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101634
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はじめに
神田 2013年11月に日本神経免疫学会と日本臨床免疫学会が,2回目の合同学会を開くことになりました。
私は,臨床神経学と臨床免疫学の2つは,とてもよく似ていると思っています。いま,内科学全般はどんどん臓器別に進もうとしていますが,膠原病内科と神経内科だけは臓器別ではなく,免疫系と神経系という「系=システム」を診ています。
そのために,どちらの科も非常に守備範囲が広くなると同時に,どこまでが自分たちの守備範囲なのかがよくわからなくなることもあります。例えば,筋炎や血管炎などはどちらの科でも診ることが多いですよね。両科は似ているところが多いのですが,疾患の診方については大きく異なっていることが,最近になって私もよくわかってきました。
この診方の違いを否定的に捉えず,1つの疾患に対する異なる考え方を共有することで,よりよいアプローチが可能になるのではないかと考えています。
そういうわけで,今回の神経免疫学会学術集会の会長を務める私と,臨床免疫学会総会の会長をお務めになる山村先生,膠原病内科の代表としてお出でいただきました上阪先生の3人で,神経学と免疫学が今後どのように手を取り合っていくべきか,それはどうすれば可能かといったことをざっくばらんに議論したいと思います。
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