特集 Common diseaseは神経学の主戦場である―現状と展望
―鼎談―神経内科はcommon diseaseを診ているか?
河村 満
1
,
神田 隆
2
,
桑原 聡
3
1昭和大学医学部内科学講座経内科学部門
2山口大学大学院医学系研究科神経内科学
3千葉大学大学院医学系研究院神経内科学
pp.1007-1015
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101587
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はじめに
神田 神経内科というのは,おそらく内科の中では最大の患者数を擁する部門で,守備範囲も一番広いと思います。ただ,common diseaseをたくさん診ている割には,common diseaseを診る科,あるいは総合診療に一番近い科として世間に認識されているかというと,決してそうではないと思います。
私も,学生の講義で,神経内科とはどういう科かというのを最初に話すときには,厚生労働省の特定疾患治療研究事業の対象疾患が56あるうち,神経内科プロパーの病気が17個あり,神経内科が関与する病気がそれに14個足されるので,半分以上は神経内科が診るのだとしゃべります。実際には,それ以上に,common diseaseも診ているわけですが,世間では「難病を診ている科」という見方をされているように思います。
本日は,神経内科はcommon diseaseをたくさん診ている科であるにもかかわらず世の中ではそのように認識されていないということ,そして,これだけの数のcommon diseaseを診ているにもかかわらず,世間から「神経内科医が足りない」という声があまり起こってこないのはどうしてか,ということについて,今後の展望も含めて本誌編集委員の3人で議論してみたいと思います。
河村・桑原 よろしくお願いします。
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