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モンラッド=クローン(Georg Herman Monrad-Krohn;1884-1964)はノルウェーの神経学者である。ベルゲンに1884年3月14日に生まれ,ノルウェーで医師となった。1912年にロンドンのクイーン・スクエア(National Hospital, Queen Square)に留学をした。ここで,バザード(Farquhar Buzzard;1871-1945),ホーズレイ(Victor Alexander Hayden Horsley;1857-1916),バーテン(Barten),コリアー(James Collier;1870-1935),スチュアート(Thomas Grainger Stewart;1877-1957),ウィルソン(Samuel Alexander Kinnier Wilson;1877-1937)などのそうそうたる医師たちに学んだ。この間,彼はフランスにも何回か足を運び,サルペトリエール病院やピティエ病院に留学し,デジュリーヌ(Joseph Jules Dejerine;1849-1917),ピエール・マリー(Pierre Marie;1853-1940),バビンスキー(Joseph François Felix Babinski;1857-1932)などに習った。彼は生涯フランス学派の症候学的研究を尊敬し続けたという。1917年にオスロ大学病院に戻り,1922年に神経学の教授に任命された1)。
モンラッド=クローンは生涯に,腱反射,らい病,構音障害を含む種々の顔面神経麻痺などに関する200以上の論文を発表した。特にモンラッド=クローン徴候は,1924年に報告したものだが,上位運動ニューロンの障害による顔面神経麻痺で,背理性情動性表情過多が生まれるものをいう。
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