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連載 神経学を作った100冊(55)
ヴュルピアン『神経系疾患(脊髄疾患)』(1879-1886)
One Hundred Books which Built up Neurology (55)-Edmé Félix Alfred Vulpian "Maladies de Système Nerveux. (Maladies de la Moelle)" (1879-1886)
作田 学
1
Manabu Sakuta
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
1Department of Neurology,Japanese Red Cross Medical Center
pp.802-803
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100962
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ヴュルピアン(Edmé Félix Alfred Vulpian;1826-1887)は,1826年1月5日にパリで作家の父のもとに生まれた。この父は天然痘のワクチンを拒絶したために,天然痘で早くに亡くなったといわれている。そのため,ヴュルピアンら4人の子どもは貧困の中で育った。
ヴュルピアンはエコール・ノルマールの入学試験に失敗し,生計を立てるためにテクニシャンとして国立博物館に職を得た。ここで一緒に働いていたのがフルランス(Marie Jean Pierre Flourens;1794-1867)であり,このフルランスの影響で19歳のときに医学校に入ることになる。そして1853年に第3脳神経~第10脳神経の起始部についての学位論文を書いた。1857年に病院医師,1860年に教授資格を取り,1866年にクルーベイエ(Jean Cruveilhier;1791-1874)の後任として病理解剖学の教授になった。また,1862年から彼はシャルコー(Jean-Martin Charcot;1825-1893)とともにサルペトリエール病院の管理を引き継いだ2)。
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