Japanese
English
神経画像アトラス
硬膜外ブロック後に生じた広範な脊髄硬膜外膿瘍の1例
A Case of Spinal Epidural Abscess with Wide Lesion after Epidural Anesthesia
相場 彩子
1
,
小鷹 昌明
1
,
平田 幸一
1
Saiko Aiba
1
,
Masaaki Odaka
1
,
Koichi Hirata
1
1獨協医科大学神経内科
1Department of Neurology,Dokkyo Medical University
pp.614-615
発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100493
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〈症 例〉61歳,女性
主 訴 発熱,意識障害,背部痛,歩行障害
既往歴 50歳時に腰椎椎間板ヘルニアにてインプラント固定術を施行。60歳より境界型糖尿病にて食事療法中。
現病歴 腰痛に対して,近医にて消炎鎮痛薬の内服と硬膜外ブロックを月に1回程度続けていた。2008年6月より歩行時の腰痛が増悪したが,ブロックを持続した。8月上旬より痛みのために歩行できなくなり,6日後に同院へ精査入院した。38℃の発熱を認め,抗菌薬が投与された。翌日には意味不明なことを話すようになり,頸部のこりを認めたため髄膜炎の疑いにて当院へ転院してきた。経過中に頭痛や嘔気の訴えはなかった。
入院時所見 体温37.8℃で,副鼻腔や呼吸音に異常はなかったが,腰部の叩打痛を認めた。項部硬直が陽性であった。意識はJapan Coma Scale(JCS)I-2で,失見当識を認めた。脳神経系に麻痺はなかった。運動系では,疼痛のために評価が困難であったが,明らかな四肢筋力低下はなかった。腱反射は四肢で亢進し,両側Babinski徴候が陽性であった。感覚系では背部に痛みを訴えた。
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