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糖尿病を併発した統合失調症患者の対応
市村 公一
1
1あおばメンタルクリニック
pp.672-673
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101813
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『「分裂病」の消滅』(内海健著,青土社)という本が出版されるほど,近年統合失調症の患者は減少し,その症状も軽くなっているといわれます.その分,アスペルガー症候群などの広汎性発達障害の患者が増加し,このため広汎性発達障害と統合失調症は近縁関係にある疾患ではないかとの説もありますが,いずれにせよ特に私のように入院施設のないクリニックで診療している者にとって,抗精神病薬を大量に処方しなければならないような患者に出会うことは少なくなりました.
とはいえ,40代・50代で発症から20年以上経過し,抗精神病薬を複数,しかも極量まで服用している患者が,転居などの理由でたまに来院されることはあります.精神科では近年多剤併用療法の弊害が叫ばれ,診療報酬上も多剤併用の場合は減額するなどの措置がとられるようになりました.したがって症状を確認したうえで,単剤化とまではいかないまでも,可能な限り種類と量を減らそうと努力するようになってきています.
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