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実践講座 精神科作業療法のエッセンス・1【新連載】
統合失調症
The essence of psychiatric occupational therapy: schizophrenia
森元 隆文
1
Takafumi Morimoto
1
1札幌医科大学保健医療学部作業療法学科
1Department of Occupational Therapy, School of Health Sciences, Sapporo Medical University
キーワード:
統合失調症
,
作業療法
,
パーソナル・リカバリー
Keyword:
統合失調症
,
作業療法
,
パーソナル・リカバリー
pp.547-552
発行日 2023年5月10日
Published Date 2023/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202829
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統合失調症は,表1に示す症状・障害のいくつかが一定の期間持続することで,社会機能(身辺処理や対人交流のほか,就労や就学,家事,育児,介護などの役割の遂行)に支障を来す疾患である.有病率は1%弱であり,精神疾患のなかでも疾病負荷の大きい疾患といわれている1).男女比はほぼ1対1で平均発症年齢は20歳台前半であるが,発症年齢には10歳台後半と30歳台前半にピークがあることが指摘されている2).
発病モデルや成因メカニズムとしてさまざまな仮説が示されているが,現時点では「幼少期から閾値下の認知,運動,社会性の障害があり,成長とともに困難さに直面して抑うつや社会的引きこもりを呈し,前駆症状を経て発症する」といった社会発達・認知モデル3)が有力といわれている.遺伝素因や神経化学的要因,脳構造,環境要因など単一の原因で発症を説明することはできず,多要因の相互作用をもって発症に至ると考えられている.
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