特集 糖尿病患者の健康寿命を延ばす―先手を打つ実臨床
Ⅳ患者を健康に長生きさせる私の秘策
長寿の秘訣が運動,要介護予防がロコトレ
鈴木 進
1
1太田西ノ内病院 糖尿病センター
キーワード:
①虚弱高齢者糖尿病
,
②生活機能低下
,
③要介護
,
④健康寿命
,
⑤ロコモティブシンドローム(ロコモ)
Keyword:
①虚弱高齢者糖尿病
,
②生活機能低下
,
③要介護
,
④健康寿命
,
⑤ロコモティブシンドローム(ロコモ)
pp.513
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101559
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- 文献概要
欧米の高齢者糖尿病の分類には健康と虚弱(frail)の2群があり,血糖コントロールの目標値が異なる.虚弱は低栄養,サルコペニア(sarcopenia),心理状態の悪化(抑うつ)を含む概念である.虚弱高齢者糖尿病の特徴は低血糖に脆弱で,転倒・骨折や認知機能の低下をきたしやすく,食事摂取も不安定,また易感染性や自己管理能の低下などもきたす.欧米では虚弱予防の最も有効な手段として運動が奨められている.
わが国では,虚弱は生活機能低下による要介護状態として認識された.生活機能低下を予防するための病態概念として,ロコモティブシンドローム(ロコモ)が日本整形外科学会から提唱された.ロコモチェック(表1)の1つでもあてはまればロコモを疑い,患者に整形外科専門医の受診を勧める.専門医の評価でロコモと診断されたら,ロコモ改善の運動が指導される.
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