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特集 高血圧in糖尿病 その対策!!
狭心症・心筋梗塞既往糖尿病患者の血圧管理
Antihypertensive therapy for the diabetic patients with coronary artery disease
瀬川 郁夫
1
1日高見中央クリニック 糖尿病センター
キーワード:
①二次予防
,
②心不全予防
,
③ACE阻害薬
,
④ARB
,
⑤β遮断薬
Keyword:
①二次予防
,
②心不全予防
,
③ACE阻害薬
,
④ARB
,
⑤β遮断薬
pp.511-515
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101396
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糖尿病患者で,冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)を合併する患者は,合併症進展や死亡のリスクが最も高い患者であることが,多くの研究で明らかにされている.有名な欧米の疫学研究であるフィニシュ・スタディは,45~64歳の2型糖尿病患者1,059人と非糖尿病患者1,373人を7年間追跡し,心筋梗塞の発症・再発率を検討したものである1).その結果,糖尿病ではなく,かつ心筋梗塞既往がない患者では,3.5%の発症率であったのに対して,心筋梗塞の既往のある糖尿病患者では,45%に心筋梗塞が発症した(Box 1).
同様に,日本人急性冠症候群の生存退院患者を対象としたOsaka Acute Coronary Insufficiency Study(OACIS)は,1998~2006年の連続61,669例の予後を,糖尿病の有無により分けて,平均追跡期間891日で検討したものである2).その結果,非糖尿病患者の総死亡が4.0%,非致死的心筋梗塞発症が3.8%,心不全入院が3.6%,主要心血管事故(総死亡,非致死的心筋梗塞発症,心不全入院,血行再建術施行)が24.9%であるのに対し,糖尿病患者では,それぞれ5.1%,6.8%,6.1%,32.3%で,有意に増加していた.
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