Japanese
English
特集 糖尿病の治療―見て,見つめて,見つめなおす
Ⅲ薬物療法の意義と有用性
2)注射薬による治療
新たな代謝ネットワークでのインスリン治療
Insulin Therapy on Metabolic Highways
細井 雅之
1
,
上野 宏樹
1
,
川崎 勲
1
1大阪市立総合医療センター 糖尿病センター代謝内分泌内科
キーワード:
Metabolic Information Highways
,
DCCT/EDIC study
,
UKPDS
,
4T Study
,
肝臓
,
脳
,
膵臓
,
脂肪
Keyword:
Metabolic Information Highways
,
DCCT/EDIC study
,
UKPDS
,
4T Study
,
肝臓
,
脳
,
膵臓
,
脂肪
pp.521-527
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101235
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Pros
・DCCT/EDIC studyにおいて早期からのインスリン強化療法は,1型糖尿病患者での細小血管障害のみならず,後の心血管合併症予防効果がある(Metabolic memory).
・UKPDSにおいて早期からのSU薬/インスリンによる強化療法により2型糖尿病患者での,細小血管障害のみならず,後の心筋梗塞の発症も低下させる(Legacy effect).
Cons
・インスリン強化療法では,低血糖と肥満が多くなってしまう.その理由として以下が考えられる.
・インスリン療法が皮下投与のため.インスリンは皮下,末梢静脈から大循環を経由してから門脈内へ流入する.肝臓を目標にインスリン量を増やすと,末梢インスリン濃度が上昇してしまい,骨格筋や脂肪組織における作用が増強し,低血糖や肥満のリスクが増大してしまう.
・健常者の血糖変動パターンを完全に模倣することは不可能.インスリン製剤そのものの性質による.よりフラットな超持効性,よりシャープな超速効性インスリンが望まれる.
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