Inpatient glycemic control and management of diabetes●「コンサルト」力を養う!入院患者の糖尿病管理の手法 第3回
―コンサルト」力を養う!―入院患者の糖尿病管理の手法
森川 秋月
1
1旭川赤十字病院 糖尿病・内分泌内科
pp.436-440
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101220
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周術期の血糖管理―1
周術期の血糖管理の重要性については多くの報告がある.具体的な目標血糖値についての論議は別として,良好な血糖コントロール(低血糖を避けることも含む)が手術の予後を改善するにも有効であるというコンセンサスは確立していると考える1).問題は,その具体的な方法である.糖尿病専門医側,外科医側それぞれより報告はあるが2, 3),一般の病院で診療にあたっている医師にとって,「どうやって指示出しして良いのか読んでも良くわからない」というのが正直なところではないだろうか.その証拠に,外科系病棟での指示は現在でも通常のスライディングスケールが圧倒的に多いように思われる.
本稿では,読者を「糖尿病専門医ではないが,糖尿病患者を診療しており,周術期血糖管理についてもコンサルトを受ける,あるいは主治医として指示を出すことがある内科あるいは外科系医師」と想定し,「人工膵臓は無いし,複雑なアルゴリズムでのインスリン・血糖管理は病棟の体制からも無理だが,現在の指示出し,指示受け体制を大きく変更せずに,今よりは周術期の血糖管理を良くしたい」と考えている方に,少しでも有用な情報を伝えられたら,というつもりで記述する.
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