特集 糖尿病診療の将来展望 10 Topics
V.コラム
糖尿病診療は「儲かる」のか?
福田 正博
1
1ふくだ内科クリニック
pp.661
発行日 2010年11月15日
Published Date 2010/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101121
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糖尿病患者の増加とともに糖尿病の医療費が高騰し,2007(平成19)年度の国民医療費の概況によると1兆1,471億円であり,毎年130億円も増加している.一方,医療機関の眼でみると,糖尿病は血液検査や合併症の検査が多く,在宅自己注射指導管理料などの技術料が設定されていることから,他の生活習慣病に比べ,高収益が期待できる疾患であるようにもみえる.果たして「儲かる」のか? 糖尿病診療の採算性について診療所の立場で少し考えてみた.
現在,糖尿病に関わる保険診療制度として診療所では包括制と出来高制がある.包括制を採用した場合は生活習慣病管理料として毎月一定の点数を算定できるが,これには検査,投薬,注射に関わる費用が含まれる.制度が導入された2002年当時はそれぞれ1,650点,1,200点であったが,現在は1,280点,800点にまで引き下げられ,合併症のリスクが高い患者では採算が合わず,多くの診療所は出来高制を採用している.
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