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特集 糖尿病こころと行動のキーコンセプト
糖尿病エンパワーメント物語
A story about empowerment
山本 壽一
1,2
1糖の心の相談室&研究所
2ハートライフ病院糖尿病センター
キーワード:
①患者教育
Keyword:
①患者教育
pp.436-439
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100977
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□ユカリのストーリー(1)
ユカリは21歳の新米看護師です.看護大学の1年生の夏に1型糖尿病を発症しました.体調不良で受診したその場で入院となり,考える暇もなくインスリンが始まり,糖尿病の教育コースに参加し1週間で退院となりました.治療を担当した医師は,ユカリが看護学生でもあることから糖尿病の病態や治療方法を詳しく教えました.栄養士からは1,600kcal食の指導を受け,毎日の食事記録をつけ,医師からの指示で毎日4回も血糖を測り記録しました.ユカリは,医師の指示には絶対に従わないといけないと心に言い聞かせて治療に専念しました.
ユカリは一人っ子で,糖尿病がわかってからは両親がユカリの学業や日常生活を熱心に支えていました.ユカリは友達を失うのが怖くて自分が1型糖尿病であることは内緒にしていました.看護実習で早朝から病院に行ったり,夜遅くまで図書館で勉強したりと不規則な生活でしたが,担当医の指示を守り必死で頑張り,HbA1Cは6%前後で維持できていたことを誇りに思っていました.
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