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特集 薬物療法の「常識」はいまも常識?
糖尿病性腎不全にSU薬は禁忌か?
Can we use sulfonylureas in diabetic patients with chronic renal failure?
守屋 達美
1
1北里大学医学部内分泌代謝内科
キーワード:
①スルフォニル尿素(SU)薬
,
②慢性腎不全
,
③低血糖
Keyword:
①スルフォニル尿素(SU)薬
,
②慢性腎不全
,
③低血糖
pp.30-32
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100901
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腎機能が低下していたらSU薬は使用してはならないのか
近年,本邦で使用されているスルフォニル尿素(SU)薬の代表はグリベンクラマイド,グリクラザイド,グリメピリドであろう.これらの添付文書にはいずれも「禁忌(次の患者には使用しないこと)」として「重篤な肝機能障害または腎機能障害のある患者(低血糖を起こすおそれがある)」と記載されている.しかし,実際の臨床現場では,いかなる理由があってもSU薬からインスリンへの変更に抵抗を示す患者も少なくない.コントロール良好で経過してきた患者は,クレアチニンレベルが上昇してきたからといってすぐに変更を納得しないことも多い.無理矢理説得しようとして患者-医師関係が悪化する場合も想定される.そのような場合にはあえてインスリンへの変更を行っていないのも事実である.
さらに,どのSU薬も「肝または腎機能障害がある患者」には「慎重投与」と記載されているが,「禁忌」との境界は必ずしも明確ではない.
はたして,糖尿病性腎不全患者にはSU薬は本当に“禁忌”なのであろうか.
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