Update '96
妊娠と風疹についての新しい知見
松原 茂樹
1
1自治医科大学産婦人科
pp.868
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901953
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妊婦が妊娠初期に風疹に感染すると先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome;CRS)が発症することは広く知られている.妊婦と風疹について,最近新知見が幾つか示された.第一線の臨床医として知っておくべきことは.
1)児への風疹ウイルスの移行は,基本的には母体血のウイルス量に依存する.母体のウイルス血症が長く続き,ウイルス量が多ければ児へ移行するウイルス量も多い.したがって母の初感染,顕性感染の際に,胎児への移行ウイルス量は多い.しかし,不顕性感染,再感染であっても(頻度は低いが),CRSは起こり得る.
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