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特集 患者満足度を高める糖尿病診療
第1部 外来で患者満足度を高める
こんな患者を診るとき
胃切除後耐糖能異常
How to treat with glucose abnormality in patients on postgastrectomy
三浦 順之助
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
キーワード:
ダンピング症候群
,
食後高血糖
,
αグルコシダーゼインヒビター
,
インスリン治療
,
反応性低血糖
Keyword:
ダンピング症候群
,
食後高血糖
,
αグルコシダーゼインヒビター
,
インスリン治療
,
反応性低血糖
pp.226-227
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100674
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- Abstract 文献概要
ダンピング症候群による食後高血糖と反応性低血糖の是正
胃切除後の糖代謝異常の是正は,自立神経障害や精神面のケアも大切.
外来指導の実際
各種の胃切除や食道切除術,あるいは迷走神経切断術後の15~30%の症例にみられる食後の様々な不快症状を総称して,ダンピング症候群といいます.症状の出現が食後30分以内で急激な血糖上昇を特徴とする早期ダンピング症候群は,胃貯留能の低下に伴い小腸内に急速に流入した食物の浸透圧降下によるもので,循環血漿量の低下を伴い,セロトニンやブラジキニンなどの血管作動性物質が関与していると考えられています.一方,食後2~4時間頃に低血糖を伴って出現する後期ダンピング症候群は食後の高血糖に伴う反応性低血糖であり,現在は一般的に前者をダンピング症候群と呼んでいます.
本症候群で食後高血糖を呈しても,術前に耐糖能が正常であればHbA1Cは正常か,あるいは軽度上昇に留まることが多いです.術前から耐糖能異常が存在する場合は,術後安定期よりHbA1Cが漸増することがあります.本症候群では食後高血糖,および高インスリン血症が特徴ですが,糖尿病合併例ではインスリン値がそれほど高値を示さないのが特徴です.
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