Japanese
English
臨床経験
乳児期より19歳まで経過観察した先天性無痛無汗症の1例
Congenital Sensory Neuropathy with Anhidrosis : A Case Report Followed from Infancy to 19-year-old
伊藤 弘紀
1
,
沖 高司
1
,
荒尾 和彦
1
,
鬼頭 浩史
1
,
野上 宏
1
Hironori Ito
1
1愛知県心身障害者コロニー中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Central Hospital, Aichi Prefectural Colony
キーワード:
congenital sensory neuropathy with anhidrosis
,
先天性無痛無汗症
,
Charcot joint
,
シャルコー関節
,
case report
,
症例報告
Keyword:
congenital sensory neuropathy with anhidrosis
,
先天性無痛無汗症
,
Charcot joint
,
シャルコー関節
,
case report
,
症例報告
pp.1141-1144
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902535
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抄録:乳児期より19歳まで経過観察を続けた先天性無痛無汗症の1例につき報告する.本症例は出生後に頻回の発熱があり,この時に無汗であったことから,3歳時に本症と診断された.5歳時,左股関節脱臼に対し観血的整復術を施行した.また,小学校入学時より車椅子での生活を指導した.骨折の既往は11歳までで,受傷回数は比較的少なかった.左股関節は術後早期より破壊が進行し,他の四肢関節も変形が徐々に進行した.現在は両肩・左肘関節以外の四肢大関節はCharcot関節を呈している.本症は,全身性の無痛覚・無汗症に精神発達遅滞を合併するのが特徴である.整形外科的には骨折,脱臼,骨髄炎,Charcot関節などが問題となり,対症的な治療が行われる.また,これらの発症予防としての生活指導は,一定の基準を設けることが困難で,症例ごとに家族を交え十分に検討する必要がある.
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