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チームでBrush Up 糖尿病診療
SMBGを用いた糖尿病患者へのエンパワーメントアプローチ―一歩進んだSMBGの生かし方
The empowerment approach of the diabetes patients by using SMBG(self monitoring of blood glucose)
毛利 貴子
1
1ハートライフ病院糖尿病センター
pp.93-96
発行日 2005年1月15日
Published Date 2005/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100632
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Case SMBGを用いて患者の自律性を高める
患者:66歳,独身女性,Nさん,修道女.
主訴:血糖コントロール目的.
併存症:橋本脳症,両側内頸動脈狭窄症.
家族歴:父が糖尿病.
生活環境:修道院にて共同生活を送る.
身体所見:身長145cm,体重41kg(BMI 19.5),血圧110/60mmHg
検査所見:HbA1C 8.5%,食事負荷後血中CPR 1.13ng/mL,抗GAD抗体(-),網膜症(福田分類)A3p,尿中Alb 8.7mg/gCre
糖尿病歴:18年前に糖尿病を指摘され,内服治療していたがコントロール状態は不明.8年前に体重減少を伴う高血糖状態で入院してインスリン療法が開始されていた.退院後は他院でフォローとなる.2003年6月に多彩な神経症状が出現し,橋本脳症と診断されステロイド治療が開始となる.同時期より血糖値の変動が大きくなり,10月に糖尿病センターに紹介となる.診察では血糖値のコントロールが安定しないことに不安を感じていると涙され即日入院となる.
不安定状態からの離脱のためインスリン注射は混合型製剤2回注射から4回注射の強化療法に変更する.入院中は1日4回以上の自己血糖測定を実施してインスリン量の調節を試みるも血糖値は不安定のまま経過し,3カ月後に退院となった.なお,入院中に内頸動脈狭窄に対して内膜剥離術を受ける.その後,不定愁訴や精神的不安症状で入退院を繰り返す.感情負担は高く,PAIDは77点であった.
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