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Research Note●研究ノート
日本人2型糖尿病初期における耐糖能低下要因
Factors responsible for deteriorating glucose tolerance in the early stage Japanese type 2 diabetes
三井 理瑛
1
,
福島 光夫
1,2
,
谷口 中
3
,
稲垣 暢也
1
,
清野 裕
1,3
1京都大学 糖尿病・栄養内科
2先端医療センター 健康情報研究グループ
3関西電力病院
pp.297-298
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100592
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日本人における2型糖尿病初期の耐糖能低下要因を明らかにする.
◆耐糖能障害の亜分類
1997年にアメリカ糖尿病学会(ADA),1998年に世界保健機関(WHO),1999年に日本糖尿病学会が耐糖能異常の診断基準を相次いで改訂し,空腹時血糖(FPG)110 mg/dL未満を正常領域,126 mg/dL以上を糖尿病領域,さらに経口糖負荷試験(OGTT)2時間値(2 h-PG)140 mg/dL未満を正常型,200 mg/dL以上を糖尿病型とし,それぞれその間を境界領域とする定義が統一された.これらのカットオフ値により境界領域の耐糖能異常はIFG,IGT,IGT/FHの3群に,そして糖尿病領域は,空腹時高血糖糖尿病(DM/IFH),負荷後高血糖糖尿病(DM/IPH),空腹時・負荷後両高血糖糖尿病(DM/FPH)の3群に亜分類できる(Box 1およびTips 1参照).この亜分類を用いてこれまでに,IGTおよび負荷後高血糖糖尿病(DM/IPH)はインスリン初期分泌障害が主体であるのに対し,IFGおよび空腹時高血糖糖尿病(DM/IFH)はインスリン分泌障害とインスリン抵抗性の双方が耐糖能低下要因であることを報告してきた1~3).これは,インスリン抵抗性が主体である欧米の耐糖能異常とは異なる日本人2型糖尿病の特徴である4).
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