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Case 各種健康食品は試しているが,経口薬は拒む女性糖尿病の例
患者:58歳,女性,主婦.
家族歴:糖尿病なし.
既往歴:56歳甲状腺癌にて手術.
飲酒歴:なし.喫煙なし.
主訴:こむら返り.
現病歴:55歳近医にて高血圧,尿糖を指摘され,有名私立病院を受診.ディオバン(R)40 mgを開始されるも,「医者から何も薬の説明は聞いていないので,飲みたくない.」と,服薬せず.3カ月後,当院に自分から受診.4日間糖尿病療養入院を受けた.このとき,ディオバン(R)について説明したところ,「初めて薬の説明を受けた」と,納得し,服薬開始になった.その後,食事運動療法のみでHbA1C 7.2%前後であったのが2005年9月に9.2%にまで上昇したため,原因精査のため入院となった.
身体所見:身長150 cm,体重50.6 kg,BMI 22.4,血圧128/72 mmHg,下肢振動覚15秒と正常.空腹時血糖136 mg/dL,HbA1C 8.9%,T. Chol 155 mg/dL,HDL-Chol 36 mg/dL,TG 93 mg/dL,BUN 16.6 mg/dL,Cre 0.48 mg/dL,IRI 2.8 mU/mL,HOMA-R 0.94,HOMA-b 13.8%とインスリン分泌低下型であった.1,600 kcalにて血糖日内変動が151-237-218-314-160-231 mg/dLと食後高血糖であり,インスリン分泌促進薬をすすめるも,「薬は飲みたくない,運動をがんばる」と言った.1週間後再度日内変動を調べると121-155-116-280-118-256と食後高血糖が残った.本人もついにあきらめ,グルファスト(R)10 mgを食後血糖の高い昼夕だけ服用開始となった.入院15日目は日内変動は101-176-132-91-139-133まで改善され退院となった.血糖が悪くなった原因はエコー,CT,腫瘍マーカー,拮抗ホルモンを含めて問題なく,M健康食品を始めていたとのことであった.
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