Japanese
English
特集 外来で糖尿病を治療する―治療困難な症例から学ぶ
外来で糖尿病患者を治療するために必要なこと―血管障害の阻止を目指して
Focus on the treatment of diabetes in clinics
土井 邦紘
1
1土井内科
キーワード:
己に克つ
,
糖尿病の病歴聴取
,
身体を診る
,
生活のリズム
,
インスリン導入
Keyword:
己に克つ
,
糖尿病の病歴聴取
,
身体を診る
,
生活のリズム
,
インスリン導入
pp.265-271
発行日 2003年5月15日
Published Date 2003/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100387
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Case
頑固に入院治療を拒否していた患者の外来インスリン導入
症例:72歳男性
現病歴:45歳の時,会社健診にて糖尿病を発見された.しかし,仕事に追われ受診はままならず,一時期グリクラザイド(グリミクロン)を約10年間服用したが,治療経過も良好であり,その後は中断した.69歳になり第二の人生の定年も近くなって,老後のことを考えて治療を再開した.近医にてグリミクロンで治療を開始したが血糖のコントロールは不良であり,グリミクロンをグリベンクラミド(ダオニール,オイグルコン)2.5 mg分 3に変更する.しかし,HbA1Cは8.5%であり,グリベンクラミド4錠,α-グルコシダーゼインヒビター(ベイスン0.2 mg)3錠と治療を強化し,食事療法も丹念にチエックされたが改善されずインスリン療法が勧められた.しかし,頑固に入院もインスリン注射も拒否したため本院を紹介されて受診した.
家族歴:兄が糖尿病
本院受診時の検査所見:身長 159 cm,体重55.2 kg,BMI 21.8 kg/m2
血圧140/70 mmHg,脈拍76/分,HbA1C 8.3%,食後3時間血糖値324 mg/dL,血清コレステロール174 mg/dL,中性脂肪97 mg/dL,HDL-コレステロ-ル57 mg/dL,赤血球数354×104/mm3,白血球数5.5×104/mm3, 血色素11.5 mg/dL
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