Japanese
English
Diabetes Clinic クリニックでできる運動指導
心筋梗塞を発症した糖尿病患者の運動療法の効果
Effect of exercise therapy for patient of myocardial infarction with diabetes mellitus
今井 優
1
,
久保 古都美
1
1医仁会武田総合病院 疾病予防センター
キーワード:
運動療法
,
血糖コントロール
,
脂質代謝改善
,
行動変容
Keyword:
運動療法
,
血糖コントロール
,
脂質代謝改善
,
行動変容
pp.231-233
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100383
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Case
運動療法によるRisk factorの改善効果
50歳代後半男性.1985年に糖尿病を指摘され,薬物療法を開始.1992年に前壁心筋梗塞を発症.総コレステロール(TC)は264 mg/dL,HDLコレステロール(HDL)は34 mg/dL,空腹時血糖は204 mg/dLであった.同年4月より運動療法を開始したが途中で中断した.1995年9月から継続的に運動療法を開始した.心疾患リハビリテーションには週3回参加し,自宅では10,000~17,000歩/日の歩行を行い,運動により平均3,884 kcal/週のエネルギーを消費した.食事は約1800 kcal/日でコントロールしていた.1995年から4年間の血糖コントロール,脂質代謝の経過は,HbA1Cと1日の歩数には負の相関(r=-0.58),HDLと1日の歩数には正の相関(r=0.73)が認められた.TCは減少し冠動脈硬化の退縮を認めた(#3:90%→50%).
Caseの教訓:主治医との信頼関係が治療効果を高めた.本人の記録が参考になった運動療法の効果.行動変容に伴う運動療法は,糖代謝改善に加え脂質代謝にも改善効果を認めた.
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