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English
Meet the Diabetes Master Clinician
―糖尿病の心理行動科学を発展させた人々―第2回「エンパワーメント」という考え方
Master of the psychological care of patients with diabetes mellitus
Robert M. Anderson
1
,
岡崎 研太郎
2
Robert M. Anderson
1
1Michigan Diabetes Research & Training Center,Univesity of Michigan,Ann Arbor MI
2ミシガン大学公衆衛生大学院
1Michigan Diabetes Research & Training Center,Univesity of Michigan,Ann Arbor MI
pp.211-217
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100379
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この連載では,主としてアメリカにおける糖尿病心理学の現状,ならびにこの分野(糖尿病心理学)のリーダーたちの横顔を,読者の皆さんにお伝えしていこうと思っています.今回は,私のアメリカでのホームグラウンド,ミシガン大学でロバート・アンダーソン先生とお話をすることができました.アンダーソン先生の経験から導き出されたという糖尿病患者教育における新しい考え方,「エンパワーメントモデル」について,じっくりとお話を伺いました.
□糖尿病患者教育に至るきっかけ
先生は,もともと教育学を専攻されていたのですね.
そうです.私は,大学院で教育心理学の博士号を取得しました.教えること,学ぶことに興味があったのです.でも,もともとは,学校が嫌いでした.小学校,中学校,高校と,教えられた内容をそのまま暗記して答案用紙に書き写すといった記憶中心の教育方式が,とても退屈に感じられたからです.ところが,幸運なことに,大学院の教育プログラムでは,教えること,学ぶことを勉強する手段は,事実を暗記することではなく,むしろ主として自分自身の経験を振り返る,というものになったのです.私は大学院生の間に,高校で教えることも経験しました.大学院での勉強は,本を読むことではなく,教室で実際に教えるという経験に基づいて行われたわけです.この経験が私の目を開かせることになりました.教育は刺激的で有効な方法で行われるべきだと.それ以来ずっと,教えること,学ぶことに興味を持ち続けることになったのです.
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