Japanese
English
Case Record
ゴルフ場のキャディーとして永年勤務し,糖尿病の悪化を来した1例―季節間での著しい運動量の差が,次第に血糖コントロールを悪化させた
A case of diabetes mellitus who caddied for a long time and her diabetic control has been slowly deteriorated
辻 昌宏
1
,
石井 純
1
1北海道社会保険病院 糖尿病・代謝内科
キーワード:
運動
,
運動療法
,
インスリン抵抗性
,
血糖コントロール・スルホニル尿素薬
,
チアゾリジン
Keyword:
運動
,
運動療法
,
インスリン抵抗性
,
血糖コントロール・スルホニル尿素薬
,
チアゾリジン
pp.195-198
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100376
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Case
糖尿病の悪化を来したキャディー
40歳から21年間ゴルフ場でキャディーとして勤務した女性が,53歳で糖尿病を発症した.患者はゴルフシーズン(5月~10月)には,1日2万歩程度歩行するが,オフシーズン(11月~4月)になると1日3千歩程度しか歩かない生活を毎年繰り返していた.糖尿病発症前は,夏冬で体重が3 kgの増減があった.糖尿病発症後は,夏冬の体重の変化は認められなくなったが,血糖コントロールに大きな季節変動が認められるようになった.さらに年々冬期間の血糖コントロールは,前年度より悪化する傾向が認められた.血糖の悪化により,難治性の皮下膿瘍を合併した.この間の血糖コントロールの変化は,スルホニル尿素剤の増量では,解消されなかったが,チアゾリジン系薬剤の併用により,認められなくなった.
Caseの教訓:運動療法の貯金はできない.夏にいくら運動しても,冬何もしなければ,糖尿病はかえって悪化する.
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