特集 検査はどこまでやるか
Master Lecture
頸動脈エコーを日常診療に活用する
兒玉 峰男
1
1兒玉内科醫院
pp.124-130
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100365
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Q 様々なリスクファクターがある患者さんへの頸動脈エコーの適応についてアドバイスを一言お願いします.
兒玉 糖尿病,高血圧,高脂血症といった生活習慣病の方を対象に頸動脈エコーを行うことは大変良い適応と思います.なぜなら生活習慣病は動脈硬化易進展疾患とも言えるからです.しかし,そういう人は大変多いわけで,しかも,心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化症が全く起こらない人も実際にいます.最近の医療情勢を考えても,片っ端から生活習慣病の患者さん全員に頸動脈検査をするというわけにはいきません.ではその場合,実際にどのような患者さんに検査を行うかですが,健康診断などで胸部X線を撮って胸部大動脈のところに石灰化があるような人とか,親戚の方含めて,脳卒中や心筋梗塞などの家族歴がある方はまず重点的にやるべきだろうと思います.さらには,高血圧の管理状況のよくない方,血糖の管理状況がよくない方,コレステロールがいつまでも下がってない方,それから,肥満気味の方,喫煙歴を有する人から優先的にやっていかれたらいいと思います.
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