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糖尿病治療では,いわゆる「病―診連携」をどのように取り組んでいくのかを検討しているように,病院薬剤師と開局薬剤師では医薬品の適正使用を確保するための連携(薬―薬連携)をどのように進めるかを議論しなければならない.特に,地域医療の形は各々の地域性が強く影響しており,それぞれのノウハウを出し合い工夫し合うことが重要となる.しかし残念なことに,全国の薬剤師が糖尿病というひとつの疾患(専門)をキーワードにして議論し合う場はなかった.そこで,1998年に「薬剤師地域医療研究会」を立ち上げ,糖尿病を専門とする薬剤師,また糖尿病を勉強したい薬剤師のディスカッションの場を提供することにした.
主な活動は,1)シンポジウムの開催,2)学術研究,3)出版,4)インターネット配信などであった.シンポジウムは毎年1回開催しており,2002年は4回目であった.第1回(東京)は「薬剤師の糖尿病地域医療への取り組み」,第2回(東京)は「薬―薬連携」,第3回(大阪)は「薬剤師とインスリン療法」,第4回(大阪)は「糖尿病療養指導をどうやって進めるか」をメインテーマに取り上げている.毎回200~400名の薬剤師が全国から集まり,糖尿病療養指導士としての薬剤師の取り組み方など毎回白熱した討論が繰り広がれている.学術研究としては,全国の病院薬剤師を対象として糖尿病への係わり方の実態調査(糖尿病,43:989-993,2000)や,糖尿病療養指導士に対する意識調査(日病薬誌,38:63-66,2002),さらに低血糖指導の内容や取り組み方(医療薬学,27:517-522,2001)などをまとめて論文として報告してきた.また,書籍は「薬剤師のための糖尿病療養指導マニュアル」を小林 正先生の監修で出版(ミクス)している.
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