【実践報告】
太田西ノ内病院における糖尿病患者教育の実際から薬剤師の役割を考える
朝倉 俊成
1
,
野崎 征支郎
1
,
鈴木 祐子
2
,
宇野 礼子
2
,
清野 弘明
3
,
阿部 隆三
3
Toshinari Asakura
1
,
Seishiro Nozaki
1
,
Yuko Suzuki
2
,
Reiko Uno
2
,
Hiroaki Seino
3
,
Ryuzo Abe
3
1太田西ノ内病院薬剤部
2太田西ノ内病院看護部
3太田西ノ内病院糖尿病センター内科
1Department of Pharmacy, Ohta Nishinouchi Hospital
2Unit of Diabetic Center Nurse, Ohta Nishinouchi Hospital
3Internal Medicine Diabetic Center, Ohta Nishinouchi Hospital
pp.118-127
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
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はじめに
糖尿病の成因や病態は詳しく研究されてはいるものの,いまだ根本的な治療法は確立していない.インスリン依存型糖尿病(insulin dependent diabetes mellitus: IDDM)はインスリン療法が必須であるが,インスリン非依存型糖尿病(non-insulin dependent diabetes mellitus: NIDDM)は合併症の発症や進展を防ぐために適正な血糖コントロールを目的とした食事療法・運動療法,そして薬物療法を行うことが治療の中心となる.しかし,何よりも患者の過食や運動不足などのライフスタイルを改善することが第一であり,ここに生活習慣病といわれる由縁がある.そのため,セルフケアを中心にした患者教育が重要といえる.
近年,医療法で「医療の担い手」として医師・歯科医師・看護婦とともに明記されている薬剤師は,従来の調剤業務に加え,病棟での服薬指導や医薬品情報提供などの新たな業務を展開している.これらの業務は,糖尿病患者教育では薬物療法での多角的サポートの1つとして重要であり,この点で薬剤師が果たすべき役割は大きいものと考えている.
太田西ノ内病院(以下,当院とする)の糖尿病センターでは,1992年より医療チームに薬剤師が加わっている.そこで今回は,当院薬剤師による薬物療法の患者教育について紹介し,その役割について考察する.
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