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特集 患者さんに上手に説明するための17の秘訣
運動療法の効果と方法:とりあえずこれだけは知っておいてください
Benefits and practical points of Exercise for patients with Diabetes
山田 憲一
1
1山田憲一内科医院
キーワード:
①運動療法
,
②運動処方
,
③インスリン抵抗性
,
④運動療法禁忌例
Keyword:
①運動療法
,
②運動処方
,
③インスリン抵抗性
,
④運動療法禁忌例
pp.584-586
発行日 2006年7月15日
Published Date 2006/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100254
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運動療法の効果は
適正な食事療法を行いながら運動を継続すると内臓脂肪が減少し,インスリン抵抗性に関与するTNF-α,遊離脂肪酸,レプチンなどの脂肪組織由来生理活性物質が減少し,一方,インスリン抵抗性改善作用や抗動脈硬化作用を有するアディポネクチンは増加する.また,運動により筋肉収縮のエネルギー源はATPであり,ATPからADP,AMPになる時のエネルギーを利用する.AMPの増加によりAMPキナーゼが活性化され,糖輸送蛋白(GLUT-4)を細胞表面に移動させることで,糖の取り込みが増加する.また,運動により肝臓への遊離脂肪酸の流入量が減少,中性脂肪合成の抑制と,中性脂肪分解の亢進が起こる.HDL-コレステロールは増加し,これも動脈硬化の進展に抑制的となる.
運動療法はストレス解消や心肺機能の改善,体力の向上など,日常活動が楽になり,QOLの改善をもたらす.
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