Japanese
English
Case Record
外来でのインスリン導入が奏効した産業ストレス糖尿病の症例
Effective out-patient insulin treatment for diabetes aggravated by industrial stress
酒井 庸禎
1
,
慈幸 弘樹
1
1酒井内科・皮フ科
キーワード:
2型糖尿病
,
インスリン治療
,
ストレス
Keyword:
2型糖尿病
,
インスリン治療
,
ストレス
pp.85-88
発行日 2004年1月15日
Published Date 2004/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100123
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Case 単身赴任中に過労が原因で糖尿病が悪化したが,短期間の外来でのインスリン導入で著明な改善を認めた症例
患者:45歳,男性.
職業:自販機設置会社の責任者.
主訴:口渇,多尿,体重減少.
家族歴:母親が2型糖尿病.
現病歴:1年前の会社の健診では空腹時血糖123 mg/dLであったが,自覚症状がなかったため放置.来院の2~3カ月前より口渇,多尿,全身倦怠,体重減少(-7 kg)が出現.早朝の下肢の痙攣にしばしば悩まされていた.この頃,同時に二つの仕事を行わねばならなかったことが精神的なストレスになっていた.さらに夕食のほとんどを居酒屋でとり,そのあとスナックでアルコールを飲む機会も増えていた.
初診時:身長165 cm(標準体重60 kg),体重57.0 kg,HbA1C 13.8%
空腹時血糖429 mg/dL,AST 13 IU/L,ALT 12 IU/L,γ-GTP 21 IU/L,抗GAD抗体(-)
T. chol 259 mg/dL,中性脂肪253 mg/dL,赤血球数524×104/μL,Hb 15.3 g/dL,
Cr 1.0 mg/dL,尿蛋白(-),網膜症(-).
Caseの教訓:著明な高血糖とそれに伴う自覚症状があったため,インスリン治療が最適であることを説明し,患者さんもこれを了解した.仕事上,事業部の責任者であったため入院加療する余裕はなく,単身赴任での仕事を続けながら治療した.FAXや携帯電話を使用して,食事内容,インスリン量の指示を行った.
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