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特集 経口薬治療の質を高める10のポイント―経口血糖降下薬の功罪をわきまえる―
経口薬2次無効への対応のコツ―インスリン治療へのスムーズな移行
Useful methods of introducing insulin therapy to the patient with type 2 diabetes
森川 秋月
1
1旭川赤十字病院 内分泌代謝科
キーワード:
2型糖尿病
,
インスリン治療
,
SU薬2次無効
Keyword:
2型糖尿病
,
インスリン治療
,
SU薬2次無効
pp.531-535
発行日 2005年5月15日
Published Date 2005/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100549
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Case インスリンを短期使用後,経口薬に戻したが,再度外来でインスリンを導入した1例
患者:52歳,女性.宅配センターに勤務.
家族歴:叔父,叔母が糖尿病.
現病歴:41歳時に糖尿病と診断され,経口薬による治療を開始.当初SU薬少量にて血糖コントロールは良好であったが,3年前頃よりHbA1C8%以上が持続するようになり,内服薬の種類と用量が増えていった.51歳時に転居のため当院を紹介された.紹介時,身長159cm,体重56.3kg,食後血糖293mg/dL,HbA1C9.5%であった.内服薬は①オイグルコン(R)(2.5mg)3錠分3食前,②ベイスン(R)(0.3mg)3錠分3食直前,③アクトス(R)(15mg)1錠朝食後であった.15日間の教育入院を行いインスリン治療(最大1日22単位,食前3回)10日間のあと,内服薬①アマリール(R)(1mg)2錠朝食前,②グリコラン(R)(250mg)2錠分2として退院した.合併症は単純性網膜症,微量アルブミン尿であった.退院後HbA1Cは8.4%まで低下したが,その後徐々に血糖上昇しアマリール(R)も4 mg/dayまで増量.退院後6カ月でHbA1C8.9%,体重増加なく,空腹時血糖217mg/dLであった.この時点で患者と相談し,外来インスリン療法の導入を決定した.ノボリン(R)30R(6-0-4)より開始.SMBGをもとにインスリン開始2週間目に30R(8-0-6)に増量.インスリン開始後1カ月目でHbA1Cが8.2%となった.低血糖はない.患者は意欲的で,さらにインスリン量を調整中である.
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