Brush Up! CDE―ワンランク上の糖尿病療養指導
Part 1 Brush Up! CDE
合併症のみかた
うつを抱える糖尿病者への関わりにおける留意点は?
皆藤 章
1
1京都大学大学院教育学研究科
pp.212-213
発行日 2006年2月15日
Published Date 2006/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100077
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CDE Pearls
うつも糖尿病も医学的に説明することができるが,このような状態や病を抱えて生きる人に関わるときには,医学的理解と同様に心理臨床の知恵が必要となる.ここでは心理臨床の見地から大切と思われるポイントについて解説する.
◆糖尿病者に関わる姿勢
1)生き方のテーマ
生活全般に自己管理が必要な糖尿病の中核にある心理的テーマは,「生き方」である.一方,うつには状態や病態の幅はあるものの,そこには同様に「生き方」のテーマが存在する.すなわち,糖尿病もうつも「生きる在りよう」に関わる状態である.うつも糖尿病も,病巣がここに在るなどということはできない.この意味で,「概念の病」である.
したがって,うつを抱える糖尿病者に関わる際には,生活全般にわたって「いかに生きるのか」をともにする姿勢が不可欠となる.
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