プライマリケア医のための「みみ・はな・のど」・1
子どもの難聴の早期発見のために鼓膜を観察しよう―滲出性中耳炎
藤村 聡
1
,
福井 次矢
1
,
榎本 雅夫
2
,
嶽 良博
2
,
齋藤 優子
2
,
硲田 猛真
2
,
瀬野 悟史
2
1京都大学医学部附属病院総合診療部
2日本赤十字社和歌山医療センター耳鼻咽喉科
pp.152-153
発行日 2001年2月15日
Published Date 2001/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903188
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小児の中耳炎は大まかに言って,細菌やウイルスなどの感染による鼓室の急性炎症である急性中耳炎,それを反復した結果としての慢性中耳炎,さらに,急性炎症の所見がなく鼓室内に滲出液が貯留し,聴力障害をきたす滲出性中耳炎に大別できる.
滲出性中耳炎は幼少児に多く,急な耳痛や発熱などを伴う急性中耳炎に比べて自覚症状に乏しいため,発見が遅れやすく,伝音難聴を伴い,言語発達に障害を及ぼすこともある.しかし,耳鏡を用いて鼓膜を観察すれば,正常な鼓膜とは肉眼的に鑑別がつくため,耳鼻科的な特殊検査を行わずとも早期発見することは可能であり,滲出性中耳炎の正確な診断はプライマリケア医の重要な責務である(本号の表紙写真,「JIM臨床画像コレクション」を参照).
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