外来で見逃された症例―あなたの診断は?・17
1ヵ月の経過で悪化した呼吸困難の1例
馬杉 綾子
1
,
生坂 政臣
1
,
亀谷 学
1
1聖マリアンナ医科大学病院総合診療内科
pp.101,180
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902911
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症例:72歳,女性.1ヵ月前より労作時に息ぎれが出現.1週間前のかぜを契機に症状が増悪したため外来受診.高血圧があり内服加療中である.喫煙歴はない.受診時の身体診察では,血圧104/80mmHg,脈拍120回/分・整,呼吸数20回/分,体温36.4℃.呼吸音は正常.第4肋間胸骨左縁から右縁にかけてLevine III/VIの汎収縮期雑音を聴取する.血液検査では,WBC 10,000/μl,総ビリルビン1.8mg/dl, AST 40IU/l (正常値10~29),ALT 48IU/l (7~30),LDH 555IU/l (227~428),CRP1.0mg/dl.動脈血ガス分析(room air)ではpH 7.50, PO2 60Torr,PCO224Torr,HCO318.7であった.心電図は不完全右脚ブロック以外に異常を認めない.胸部X線写真を示す(図1).(→180ページ)
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