特集 在宅高齢者の医療と介護―医師の役割
対談
痴呆の診断と治療をめぐって
天野 直二
1
,
土田 昌一
2
1東京大学医学部精神医学
2鶴巻温泉病院
pp.430-437
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902728
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痴呆とは
土田 痴呆について考える場合,痴呆と,高次脳機能障害などと混乱して知的機能障害が理解されている向きもあると思います.その上,意識障害まで入っています.だから「本当に痴呆って何なの」というところが難しい.可逆性のものまで痴呆といわれていることもあるし,結局,診断をしないと治療が始まらないわけですから,そこのところが1つの課題だと思います.
天野 痴呆は,老化とか知的機能障害とは異なります.異なるという言い方は語弊があるかもしれませんが,知的機能障害はお年寄りには必ずついて回るものです.知的機能がどういう形で落ちていくかというと,痴呆の場合には特定のパターンで落ちていくということをまず考えておかなければいけません.だから,痴呆は,疾患としてのとらえ方をして,ある程度きちんとみていかなければいけないのではないでしょうか.
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