今月の主題 臓器感染症と抗生物質の選択
皮膚・軟部組織感染症
褥瘡の治療
小泉 雄一郎
1
1水戸協同病院
pp.1773-1775
発行日 1991年10月10日
Published Date 1991/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901100
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ポイント
1)褥瘡は,わが国の高齢化社会の到来とともに重要多発疾患となってきている.予防と治療はその対策の2本柱であるが,治療において抗生物質,抗菌剤の応用はきわめて大事なことである.
2)本症は仙骨部,踵骨部,大転子部,腓骨小頭部などの皮膚が,長期療養などのため硬い骨との間に循環不全を起こし,潰瘍状となるものをいう.しかし本症を発症するケースははじめから全身状態の悪いものが多いわけで,その該当する皮膚・軟部組織に感染症は必発である.
3)したがって,その治療には抗菌剤の応用が必要であることが多い.とくに局所療法の場合は必要であることが少なくない.しかし,褥瘡部からの血行性・リンパ行性の全身感染(敗血症など)もあり得るので,全身抗菌剤治療がこの際は必要となる.
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