外科研修医実践講座・14
褥瘡の治療
柵瀨 信太郎
1
1聖路加国際病院外科
pp.1019-1023
発行日 1994年8月20日
Published Date 1994/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901607
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褥瘡とは,仰臥位になったときなど,体重により骨突出部とベッドの間で皮膚,皮下軟部組織が圧迫されて起こる血行障害によって生じる細胞の代謝障害,壊死である.皮膚の毛細血管圧は約32mmHgとされ,これより高い圧が長時間加わったり,低い圧でも繰り返して加わると細胞障害が起こる.さらに,皮膚の過剰な湿潤,摩擦,組織のずれ,低栄養,加齢などによる組織耐久性の低下が関与する.褥瘡は,これらの因子の存在により創傷治癒が遅延されるために慢性創(潰瘍)となっていることが多く,治療にあたっては局所治療ばかりではなく,その対策も重要である.
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