Update '97
新民事訴訟法について
浅井 登美彦
1
1札幌医事法研究所
pp.871
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902279
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臓器移植を巡る国会論議が盛んだったのは,つい先ごろのことだった.だが臨床医にとってそれ以上に関心を持つべき法律がある.それは,1996年6月の国会で,改正民事訴訟法が成立し,同年12月には最高裁判所の民事訴訟規則が制定され,1998年1月1日には,この改正民事訴訟法が施行されることである.現行の法は,1890年(明治23年)にドイツ法を母体として成立したものであるから,70年ぶりの大改正である.
最大の目的は,訴訟の促進であろうが,そのために,証拠収集手続きの拡充が計られている.具体的には,文書提出命令が強化されたことや,訴訟上の相手方に対する文書照会の制度ができたことであろう.日本の裁判では書証が非常に重要な役割を果たすので,改正の目玉になり,いろいろな角度から論議された.その結果,文書照会という訴訟の相手方に,事実関係を問い合わせることができる制度ができたことも大切である.
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