米国・テネシー州立大学総合臨床医学研修デイ・バイ・デイ・8
入院病棟で
竹村 洋典
1,2
1防衛医科大学校総合内科
2自衛隊衛生学校
pp.276-277
発行日 1996年3月15日
Published Date 1996/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901783
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総合臨床医学の原則
総合臨床医学の原則というものがある.これによると,「総合臨床医学は,継続的,包括的,かつ調整的機能をもつ医療であり,それは家族や地域を背景としており,また年齢や性別に制限されることがない」となっている.この「継続的,包括的医療」を実現するために,総合臨床医は外来診療はもちろん,自分の患者またはその家族が入院しなければならなくなったらその患者を入院させ診療を継続する(継続性).日本の病院は,病院の医師が決められていて,その医師のみがその病院で入院治療を行うことができる.これに対してアメリカの病院は,どの医師もほとんどの病院で患者の入院診療を行うことができる.したがって医師は,患者の家の一番近くの病院に,その患者を入院させて診療することも可能である.総合臨床医は,産婦人科や小児科を含めあらゆる科目でも入院させるが(包括的医療),必要ならば他科の専門医にコンサルトする(総合臨床医学の調節的機能).しかし,ある器官の疾患に関して他科にコンサルトしても患者を全体的にケアする責任はその総合臨床医にあり,総合臨床医は他科の医師と協力してその患者の入院診療を行う.
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