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特集 ショック症状への対応
症状からのアプローチ
ショックを呈した急性心筋梗塞―心原性ショック
Acute Myocardial Infarction Complicated by Shock
萩原 秀男
1
1萩原医院
pp.698-700
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901584
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■心原性ショックを呈した右室梗塞例
患者:70歳,女性.
前日の夕食でカレーライスをたくさん食べ早朝2回嘔吐し,心窩部不快感のみを訴え来院.心電図でII,III,aVFにST上昇を認め下壁梗塞と診断し転送.病院到着時より急に顔面蒼白,意識喪失,血圧触知不能となりショック症状を呈した.直ちに心マッサージを施行しながら気管内挿管し,静脈ラインを確保した.心電図にて完全房室ブロックによる著しい徐脈とV1R,V2RでもSTの上昇を認め,右室梗塞による心原性ショックの可能性を示した.徐脈に対し硫酸アトロピン2A投与するも反応悪く,体表ペーシングを行った.ドブタミン,ドパミン投与にても血圧低く,ノルアドレナリンも投与開始し,直ちに心カテ室へ移送した.IABPを挿入しながら冠動脈造影施行し右冠動脈起始部閉塞を認めたが,操作中に心室細動を起こしキシロカイン,電気的除細動にても改善せず死亡した.
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